「茶事」と「茶会」どちらも同じような言葉に聞こえます。どちらもただどこかのお店やご自宅で抹茶をいただくだけともとれます。
しかし、「お茶会によばれた」と「お茶事によばれた」では、内容が違うので注意が必要です。
「抹茶を飲むだけでは?」「何か違いはあるの?」そんな疑問にお答えします!
目次
「茶事」とは
「茶事」とは、少人数で茶室に集まり、飲食を楽しむことをいいます。
いざ、先生や先輩に茶事へお誘いいただいても、内容がわからないと困ってしまいますよね。
茶事の流れは大まかに決まっていますので、覚えておくと準備もしやすいですよ。
今回は、正式な茶事の流れをご紹介しますね。
正式な「茶事」ではおおまかに次のような順で行われます。
季節や茶事の種類によって順番が前後するものもあります。
もし、茶事にお誘いいただいたら、今回ご紹介する正式な茶事の流れを参考にしてください。
1、炭手前(すみでまえ)
湯を沸かすために火をおこし炭をつぎ、そして香をたきます。
2、懐石料理(かいせきりょうり)
茶事でいただく食事です。最後に主菓子が出されます。次の濃茶の前におなかを満たすことが大切です。
3、濃茶(こいちゃ)
その字の通り「濃い」茶です。茶葉も違いますが、一服に使用する茶葉の量も違います。一服を数人で飲みまわす順服が一般的です。しかしそれが難しい場合は、一人ずつ飲む「各服点」という飲み方も定着しています。薄茶と濃茶の違いは下記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
4、薄茶(うすちゃ)
一般的にイメージするお茶が「薄茶」になります。濃茶よりは薄めの茶になります。流派によってその姿が違います。裏千家では表面を泡立てます。
下の書籍は、カラー写真付きでとてもわかりやすいです。
シリーズになっているので、自分がよくわからないところを勉強するのにおすすめです!
茶事は4種類!時間は約4時間かかる
茶事には様々な種類がありますが、どれも約4時間かかります。例えば、
- 昼に行われる 正午の茶事
- 早朝に行われる 朝茶事
- 夕方からの 夜咄の茶事
- 新茶をいただく 口切りの茶事
他にも行事に合わせた茶事などが多くあります。
茶会は大人数で飲食を楽しむことをいう!
茶会とは、人数は関係なく大人数で飲食を楽しむことをいいます。
薄茶一服だけのこともあれば、濃茶のみ、点心(簡単な懐石料理)のみなどの場合もあります。
お客としての所作を知りたい方は下の書籍がおすすめです!
1、受付
事前に購入していた茶券を受付で渡します。芳名録などに(氏名や住所を)記帳する場合や大人数の茶会では、荷物や履物などをまとめて預けることもあります。
2、待合
床の間にかかっている掛け物や会記、箱書を拝見し、順番がくるのを待ちます。
※会記 茶会で使う道具などの名前がかいてあるもの
※箱書 茶道具をおさめる箱のふたに品名や作者、筆者などを書き記すこと
3、茶席
一般的には菓子とお茶をいただく。
4、退席
帰り支度をして退出する。
「茶会」の種類はおおまかに立礼と野点の2つ!
茶会の種類も様々なものがあります。
おおまかに説明すると畳の上で行う茶会以外に次のような形の茶会があります。
立礼(りゅうれい)
お客が椅子に座って、菓子やお茶をいただく形式。
野点(のだて)
屋外で楽しむ形式。
まとめ
◇「茶事(ちゃじ)」
- 少人数で行う
- 流れが決まっている
- 約4時間かかる
◇「茶会(ちゃかい)」
- 大人数で行う
- 食事だけ、菓子とお茶だけなど流れが様々ある
- 茶事よりも手軽
「茶事」は正式なものであり、「茶会」は茶事を簡略化したものになります。
今回は2つの内容の違いをご紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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