大炉(だいろ)は1年の中で2月にしか行われません。
そのため、改めて内容を確認したい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、大炉の初炭手前を振り返っていきます。

あれ?2月の炉は何だか大きい?

2月限定の大炉だよ♪
- 【大炉】初炭手前のポイント
- 【大炉】初炭手前の炉中準備
- 【大炉】初炭手前の水屋準備
- 【大炉】初炭手前の流れ
目次
【大炉】初炭手前のポイント

- 大炉は逆勝手
- 羽箒は左羽
- 灰器は使わない
- 紙釜敷のわさは外
- 初掃き10回→中掃き6回→後掃き6回
- 灰まきは5回
大炉は、逆勝手です。そのため、いつものお点前とは手や足などが逆になります。
逆勝手なので、帛紗も右側です。

脳の体操をしているように感じます♪
手前で使う羽箒は、左側が広いものを使います。
灰器は使わず、灰さじは、雪輪瓦の向こうに盛ってある湿し灰のところへ手なりにさしましょう。
紙釜敷のわさは、いつもとは逆で外に向けて懐中することになります。
初掃き・中掃き・後掃きは、10・6・6と回数を覚えておくのがおすすめです。
(普通の炉は初8回・中11回・後8回)
灰まきは5回になります。
カラー写真で大炉の初炭や薄茶・濃茶・後炭まで流れを確認できます♪

【大炉】初炭手前の炉中準備

炉中の右手前に五徳をすえます。
左向こう隅を釜に合わせて雪輪瓦で区切ります。
雪輪瓦の向こう側(左上隅)に湿し灰を盛り、灰さじを立てます。
灰さじは、手なりにさしておく。
手なりにさしておくと、手前途中で灰をまく際に取りやすくなります!
灰さじはさびやすいので、手前の直前に立てるのがおすすめです♪
【大炉】初炭手前の水屋準備

炭斗の準備(炭を組んでおく)は通常通りする。
帛紗は右側につけます。
水屋で紙釜敷を懐中(わさが外)します。

逆勝手なので帛紗も紙釜敷もいつもと逆になります!
自宅に一つあると練習がはかどります♪

【大炉】初炭手前の流れ

道具運び
炭斗を茶道口の建付けに置きます。
襖を開けて一礼。
炭斗を持って左足から入ります。

いつもは右足からだけど左足からなんだね!
炭斗を膝前に置いて襖を閉めます。
点前座に進み、炉縁の上座の方に斜めに向いて座ります。
炭斗を炉縁の上座に置きます。
少し奥側に置くのがおすすめです。
この後に炉縁と炭斗の間に羽や火箸を置くためです。
釜あげから初掃きまでの流れ
釜正面に向き、羽・鐶・火箸・香合・釜の蓋の順で進めます。
羽箒を取り、炉縁と炭斗の間(少し炉縁より)に置きます。
鐶を取り、炭斗の前(縁の外)に置きます。
火箸を上から取り、炭斗と羽箒の間に置きます。
香合を取り、左掌で扱って羽箒の先へ置きます。
釜の蓋を閉めます。
帛紗扱いの場合は、帛紗をさばいて釜の蓋を閉め、腰につけます。
鐶を取って釜にかけます。
右手で紙釜敷を出して左で扱い、右膝の頭の横に手なりに置きます。
一膝進み、釜を紙釜敷の上にあげます。

いつもより炉が大きいから炉縁にあたらないようにしているよ!
釜正面に向いて、畳の中心まで引き寄せます。
鐶をはずして縦に取り、釜の右横に置きます。
炉の正面に戻り、羽箒を持って初掃き(10回)をします。

下火直しから炭つぎまでの流れ
火箸を取って右膝前で突いて持ち直し、下火を直します。
また火箸を右膝前で突いて持ち直し、炭斗の中へ戻します。
右手で灰さじを取り、湿し灰(5回)をまきます。

湿し灰をまきおわったら、灰さじを元の場所へ戻します。
右手で羽箒を持って中掃き(6回)をします。

羽箒は元の位置に戻し、火箸を右手で上から取り、左手にわたします。
右手で銅炭を取って炭をつぎます。
銅炭をつぎ終わったら、指先は懐紙で清めます。
火箸を右手に持ち替えて、右膝前で突いて持ち直します。
丸ぎっちょ、割ぎっちょ、丸ぎっちょ、丸管炭、割管炭、枝炭、止炭の順でつぎます。
火箸を右膝前で突いて持ち直し、炭斗の中に戻します。
羽箒を取って後掃き(6回)します。

後掃きが終わったら、羽箒は炭斗に戻します。
香たきから釜を炉にかけるまでの流れ
香合を取って左掌にのせます。
香合の蓋を開けて炭斗の前(左より)に置きます。
火箸を右手で上から取って右膝前で突いて持ち直し、香をたきます。
火箸を右膝前で突いて持ち直して炭斗に戻します。
香合の蓋を閉めます。

お客側は、香合の蓋が閉まったら拝見をお願いするよ!
正客から香合拝見を請われたら、片手で受けます。
香合の正面を正して、羽箒先の位置に出します。
釜の方へ向き、鐶を取って釜にかけます。
釜をあげたときの位置に引き寄せます。
炉の正面に向き、釜を炉にかけます。
鐶を釜にあずけたまま、右手で紙釜敷を取ります。
紙釜敷を左手に持ち替え、炭斗の上で塵打ちします。

ポンって打つんだね!
紙釜敷を持ち直して懐中します。
鐶を持って釜のゆがみを直します。
鐶をはずして炭斗の中に入れます。
一膝さがって羽箒を取ります。
釜の蓋を「ア」の字のように掃きます。
羽箒を炭斗を戻し、釜の蓋を切ります。
道具の片付けと香合拝見
上座の方に少し(斜め)に向き、炭斗をもってさがります。
襖が閉まっているので、襖の前に座って開けます。
茶道口に座って、炭斗を膝前に置いて襖を閉めます。
(お客様から香合が戻る)
香合が戻ったら、襖をあけて左足から入ります。
香合の正面に座って正客からの問いに答えます。
香合を建付けに置いて一礼をして襖を閉めます。
カラー写真で大炉の初炭や薄茶・濃茶・後炭まで流れを確認できます♪

【大炉】初炭手前のまとめ

- 大炉は逆勝手
- 羽箒は左羽
- 灰器は使わない
- 紙釜敷のわさは外
- 初掃き10回→中掃き6回→後掃き6回
- 灰まきは5回
- 帛紗は右側につける
- いつもより炉が大きいので炉縁にあたらないようにする
大炉の初炭手前のポイントや流れはいかがだったでしょうか。
逆勝手に慣れるまでは考えながら進めることになるかもしれません。
ポイントを押さえておくとスムーズに流れやすいので、ぜひ参考にしてください。
コメント